
こんにちは。武蔵小杉、たまプラーザ、二子玉川からほど近い溝の口テラス法律事務所の代表弁護士、小川です。
「私がおかしいのかもしれない」
「夫に何を言っても『お前が悪い』と言われ続けてきた」
「もう自分が正しいのか間違っているのか分からない」
「離婚したいけど、裁判なんて怖くて無理」
長年のモラハラや旦那さんの特異な性格に苦しみながら、「でも自分がおかしいのかも…」と感じていませんか?
しかし、離婚調停を経験された多くの奥様が、こう言われます。
「やっぱりおかしいのは夫だった。それが弁護士さんや調停委員の方々の反応を見て本当によく分かった。調停をやって本当に良かった」
この記事では、モラハラや旦那さんの異常な性格に悩む奥様が、離婚調停・裁判を通じてどのような変化を経験するのか、そして「自分を否定し続けた世界」からどのように解放されていくのかをお伝えします。
- 離婚調停・裁判は本当に怖いものなのか
- 調停の中で何が起きるのか
- 「おかしいのは自分」という思い込みから解放される瞬間
- モラハラ・熟年離婚に強い弁護士を選ぶ重要性
上記を中心に詳しく解説していきます。
離婚調停・訴訟は怖いものではない


裁判(調停、訴訟)というと、顔をしかめられる方、あまり良い印象をお持ちでない方もおられます。
「裁判なんてそんな…」、「何とか交渉で解決できませんか」、「裁判にかけられるなんて怖い」、そう思われることはおかしいことではありません。
だから離婚事件に詳しい弁護士がついて調停がはじまると、きちんとしたガイドがありますので、大変な手続きではあっても理解できないことが起きる怖いものでないことはすぐに分かっていただけます。
調停を通じて気づく真実「おかしいのは夫だった」
さらに、調停をしてご本人のお気持ちに変化が生じることがあります。
特に、熟年離婚の奥様や、モラハラの被害にあわれてきた奥様がよく言われるのが
「夫に『お前がおかしい』と言われ続け、毎日本当に辛かったけど、やっぱりおかしいのは夫だった。それが弁護士さんや調停委員の方々の反応を見て本当によく分かった。調停をやって本当に良かった」
というものです。



弁護士になったばかりの頃は、「ええ、財産分与や養育費ですごい結果を出したのだから是非その成果の方を見てほしかったなあ…」などと思ってしまっていたのですが、今は、そこがとても大事なのだと考えています。
なぜなら、後述のとおり、「旦那さんがおかしかったことが分かった」というのは奥様の世界そのものの再生と言っても言い過ぎではないからです。
悪意なきモラハラ|特異な性格が奥様を追い詰める


モラハラ離婚や熟年離婚の奥様の多くは、モラハラや旦那さんの特異な性格に悩まされ離婚を決意することが多いです。
モラハラで離婚というのは分かりやすいですが、特異な性格で離婚を決意というと、少し分かりにくいかもしれません。
例を挙げるなら、変なルールが沢山あるなどです。たとえば、
「ご飯をよそう時、等分にきれいに切り分けて誰がどれだけ食べたか分かるようにしないといけない」
「『普通の人』、『一般の人』というワードは、そんな人はいないから使ってはいけない」
「他の男性と話してはいけない、やむを得ず話すときは目を見てはいけない」
などの不気味なルールを設けている旦那さんがいるのです。
これらも旦那さんの中だけで完結しているなら、よく分からない拘りがあるただの変わった人ですむかもしれません。



実際に、奥様が、旦那さんのよく分からない拘りに呆れながらも、離婚していないご夫婦は多くおられるでしょう。
しかし、離婚を決意された奥様の旦那さんの場合、家族にも、その特異な性格に基づくルールや価値観を強要していることがほとんどです。
「ご飯のよそい方を間違えると大声で怒鳴る」
「『普通の人』という言葉を使ってしまうと、すごくピリピリした雰囲気になる」
「向かいの旦那さんと挨拶をしただけで夫の機嫌が悪くなる」
そして、このような性格のおかしさや不気味なルールは、奥様のあらゆる生活領域に及ぶうえ、夫は事実上の経済力や体力の差を盾に、おかしいのは奥様であると主張し続けるのですから、モラハラと同じように奥様の心に圧し掛かるのです。
それは、まるで悪意のないモラハラです。
後述のように、夫という存在があたかも世界を覆う雨雲であるかのように感じられ、その夫からの否定は、まるで世界そのものから否定されているかのような感覚に陥らせるのです。
「世界があなたを否定する」感覚の正体


「夫が怖い、気持ちが悪い」、「毎日気分が悪い、ずっと辛い」
奥様は暗い表情で、そう言われます。
自身の日常が、自分を攻撃してくるものや、おかしいものに年単位、熟年離婚であれば数十年単位で侵食され続けているのです。
人は自分というフィルターを通してしか世界を認識することができません。
そして、その人の世界の大半を占めるものは、その人の心に映し出されたその人の日常です。
学校や職場でのいじめ、ブラック企業でのパワハラ長時間労働、失恋、試験や就職の失敗…
どんなに世の中が幸福で満たされていても、その人が辛い毎日を送り、これを耐えがたいものと認識していたなら、その人の世界は決して明るいものではないのです。
そうであれば、長期間にわたって、夫のモラハラや、特異な性格と異常なルールの強要に日々悩まされている奥様は、「お前はおかしい」と非難され続ける世界で生きていることと変わらないのだと思います。
その世界は、奥様がどんなに努力しても、夫の気持ち次第で「おかしい」ことになる世界であり、奥様は世界からの否定に悩まされながら生きなければならないのです。



自分の生きる世界から否定され続けることが苦しくないはずはありません…。
間違っていた世界|調停で夫の異常性が明らかになる瞬間


ところが、熟年離婚やモラハラ離婚を理解している弁護士をつけて離婚事件に挑むと、条件交渉の過程で、夫の異常性のせいで調停の進行に支障が出ることがあります。
たとえば、
㋐裁判では、原則として半分ずつとされている財産分与を、年収比で1:9などと主張し、何度も「それは難しい、裁判では絶対に無理」と諭されても、理解できず同じ主張を長期間にわたって繰り返す
㋑およそ普通の人が受け入れられないような理屈、たとえば「自分が妻の実家に婿入りし、苗字を変える恥を忍んだのから多く財産分与をされるべきだ」などを、裁判所で主張し続ける
㋒既に子が独立している状況で、健康で就労している夫のモラハラに耐え兼ね別居した奥様に対し、何度、調停委員から説得されても、「配偶者の許可なく別居することは家族をないがしろにする不法行為であるから、婚姻費用は絶対に払わない」等と主張し続ける
などで話し合いが進まなくなることがあるのです。
そして、これに立ち会った弁護士や調停委員などの関係者は、少なからず嫌悪し、苛立ち、最後には呆れます。
その姿を見ることで、奥様は「裁判所という公的な場で、しかも沢山の離婚事件を扱っているはずの弁護士や調停委員をこんな困らせるのか!」とリアルタイムで認識し、そして、少しずつ、しかし確実に「やはり、おかしいのはあの人だった」と実感できるのです。
それは、自分を否定し続けた世界が間違っていたことの実感であり、奥様の世界の再生なのだと思います。
モラハラ・熟年離婚に強い弁護士を選ぶ重要性


もちろん、夫の支配に囚われたままご自身で夫と直接交渉するのでは、交渉や旦那さんの異常性を客観視することは難しいかもしれません。
また調停をする場合も、争いの渦中にある奥様が、調停委員に旦那さんの異常な性格やモラハラを正確に伝えることは簡単ではないでしょう。
弁護士も全員がモラハラや熟年離婚に詳しいわけではありません。
「それは旦那さんが正しいのではないですか」
10分も話していない私がモラハラ被害を受けていると分かった奥様が、他の弁護士から言われたという言葉です。



奥様はこれを聞いて「もう離婚は難しいかもしれない」と落胆してしまったのだと言います。
事あるごとに小さなミスをねちねちと注意することもモラハラなのですから、モラハラの一部を切り取った時に「それは旦那さんが正しい」ように見えることがあることは当然です。
しかし、すべての弁護士が離婚の背景に思考を巡らせられるわけではありませんし、そこに行きつくには少なくとも数十件はモラハラ離婚事件の解決実績が必要でしょうから、難しいところなのかもしれません。
一方で、熟年離婚やモラハラ離婚への理解がある弁護士であれば、法的な争点に止まらず、どこに本当の意味での解決の糸口があるのかを見つけ出し、適切に調停委員会に訴えることができるのですから、複数の弁護士に相談し、弁護士を見極め、本当にその弁護士に熟年離婚やモラハラ離婚への理解があるか注視して依頼をする必要があるのです。


まとめ|調停があなたの世界を変える


それは、奥様の世界の再生であり、新たな出発と言っても言い過ぎではないことがあるのです。
裁判を通じて、のびのびと自分らしく生きられるようになった方を私は何人も知っています。


裁判を怖いものと思う必要はありません。
本当に力のある弁護士を選べたなら、裁判はあなたの世界を変える場になるはずです。
ぜひ、ほんの少しの勇気で明るい未来への一歩を踏み出してください。



溝の口テラス法律事務所は、
いつでもあなたのご相談をお待ちしています。
女性のご相談者様は1時間無料

