彼が怪物になってしまう前に【我慢が家族を破壊する】

弁護士 おがわ

こんにちは。武蔵小杉、たまプラーザ、二子玉川からほど近い溝の口テラス法律事務所の代表弁護士、小川です。

「自分が悪いから、言われても仕方ない」
「私が悪く受け取り過ぎなのかもしれない」
「子どものために我慢しないと」

こんな思いを抱えながら日々を過ごしていらっしゃる方は、決して少なくありません。

私は、これまで数多くのモラルハラスメント(モラハラ)に悩む方々のご相談を承ってきました。

そして、相談者の多くが「我慢」という言葉を口にされます。

しかし、その「我慢」が、実は状況を悪化させ、あなたご自身だけでなく、大切なご家族をも苦しめることになりかねないのです。

今日はモラハラを我慢することが、あなたや子供さんとってはもちろん、モラハラ加害者にとってすら悪影響であるということをお話しできればと思います。

目次

我慢は家族を破壊する

溝の口テラス法律事務所では、現在のご依頼の半分強が離婚事件で、さらにそのうち約7割がモラハラを原因とする離婚事件です。

そんなモラハラ事件で多くのご依頼者さまが仰ることがあります。

「私は、子供たちのために自分が我慢すればいいと思っていたけど、それがかえって夫を増長させてしまっていた」

「自分が我慢すれば家庭は上手くいくと思っていた」

皆さま、「自分が我慢すればいいと思っていた」と口をそろえて仰ります。

ですが、これは全く違います。

あなたが我慢することで、子供たちは、モラハラ夫が「正義」であると錯覚します。

その結果、男の子は、自分より立場の弱い者にそのような「正義」を行使するようになり、女の子はそのような「正義」を行使する男に魅力を感じるようになること、言い換えれば、子供達がモラハラに取り憑かれることがしばしばあるのです。

また、家族の一人であり、重要な役割を担うはずのモラハラ被害者の方が、我慢をし負担を負い続ければどうなるでしょうか。

いつかは疲れ果て心身に不調を来たし、その役割が担えなくなり、家族の日常が止まってしまうことになります。

モラハラ被害者の方が我慢をすることは、ご自身の心を壊し、子供たちの人間と将来を歪め、そして守ろうとした家族の日常を崩壊させてしまいかねないのです。

さらに、モラハラ被害者の方の我慢は、モラハラ加害者の将来をも破壊することにつながるのです。

モラハラはまるで病気

モラハラ離婚の相談をしていると、まるで、相手方が同じ人なのかと思うほどモラハラ夫の行状は似通っています。

  • 奥さんを侮辱する言葉を頻繁に使い、自己評価を低下させるような発言を繰り返す。
  • 奥さんの感情や意見を無視し、自分の感情や意見だけを押し付ける。
  • 奥さんの行動や性格に対して過度に批判し、常に不足や欠点を指摘する。
  • 自分を被害者として捉える、奥さんを加害者として非難する。
  • 外では愛想が良く、家では厳しく冷たい態度を取る。
弁護士 おがわ

「ああ、またか」と思わざるを得ません。

そしてそれは、まるで、インフルエンザの症状が高熱、関節の痛み、咳などと人を選ばず同じであることとそっくりに感じるのです。

私が駆け出しだった頃、モラハラに詳しい先輩弁護士は、モラハラについて「一度『発症』したら簡単には治らない」と評していました。

私の聞き知るモラハラ加害者は、そもそも反省も何もなく被害者の方を恨み続ける者、どんなに反省したように見えても、喉元過ぎれば元に戻る者、ある拍子で再発してしまう者、結局攻撃の対象が他の人に移っただけでモラハラをし続けている者がほとんどです。

社会でモラハラに携わっている方の多くは、モラハラのこのような、まるで病気のような特性に気付き、カウンセリングやグループワーク、診療などで、モラハラ加害者の「治療」を試みています。

ですが、モラハラ加害者本人が、自身の「病状」を自覚し、一生ものの「疾患」であると自覚し、真剣に「治療」に取り組むのでなければ回復は望めない、それがモラハラなのだと私は思います。

ひとかけらの気持ちが残っているなら

では、治療せず、「病状」を悪化させ続けたモラハラ加害者はどうなるのでしょうか。

飲食店などの施設で、店員の方に無理難題を言って大騒ぎしている人を時々見かけます。

お店のサービスを自らの特権であり、自分は店員の方より上位にあるかのように錯覚し、なんでもないことで周りの迷惑も考えず捲し立て、白い目で見られているのにも気付きもせず、狂った正論を滔々と捲し立てる―。

この怪物のような姿は、もしかしたらモラハラを放置して末期に至ったモラハラ加害者の姿なのではないかと、私には思えるのです。

あなたがモラハラ加害者と共有した時間の全てが苦痛な時間ではなかったはずです。

楽しかった嬉しかった幸せだった思い出があるからこそ結婚し、今まで離婚をためらってきたはずです。

だからこそ、もし、あなたに今もほんの少しでも、わずかにひとかけらでも、その気持ちが残っているなら、彼が怪物になる前に、行動をしてください。

あなたのとるべき行動は、あなたの状況と彼の「病状」によっても違います。

まだ、彼との生活を諦めていないなら、対等な地位を勝ち取ることかもしれませんし、モラハラの治療機関を探すことかもしれません。

弁護士への依頼を検討しているとすれば、もうあなたの力ではどうしようもないということかもしれません。

そうであれば、彼との離別の準備があなたがすべき行動になるでしょう。

いずれにせよ、その行動のなかに、このままあなたが耐え続けて犠牲になるという選択肢は絶対にあってはいけません。

モラハラは我慢せずに相談を

「我慢すれば良くなる」 そう信じて耐え続けることは、かえって状況を悪化させてしまいます。

なぜなら、モラハラは

  • あなた自身の心と体を蝕む
  • お子さんの健全な成長を歪めてしまう可能性
  • 家族の日常生活が立ち行かなくなる
  • モラハラ加害者の行動が、さらにエスカレートする

被害者だけでなく家族、加害者にまで大きな影響を与えます。

「まだ大丈夫」「私が我慢すれば」と思っていても、状況が好転することはほぼありません。

他ならないあなたのために、かけがえのない子供さんのために、そして、かつて愛したモラハラ加害者の将来を少しでも、ごく僅かにでも案じる心が残っているなら、勇気を出して前に進んでください。

もし、たった一人で前に進むことが難しいなら、ぜひ私たちにご相談ください。

溝の口テラス法律事務所はいつでもあなたのご相談をお待ちしています。

  • これって弁護士に頼んだほうがいいのかな?
  • 相談していいレベルなのかどうかわからない
  • どうしたらいいかアドバイスがほしい

このようにお悩みの方も、まずは溝の口テラス法律事務所へお気軽にお問い合わせください。

溝の口以外の、たまプラーザ、武蔵小杉、二子玉川にお住まいの方のご相談実績も豊富です。

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