
こんにちは。武蔵小杉、たまプラーザ、二子玉川からほど近い溝の口テラス法律事務所の代表弁護士、小川です。
「夫と普通の会話すらできない」
「何を言っても怒鳴られるか無視される」
「こんな人と一生を共にするなんて無理」
そんな風に感じながらも、「離婚なんて我慢が足りないのかな」「世間体が気になる」と一人で悩み続けていませんか?
この記事では数多い熟年離婚の難しさのうち「夫の性格」にフォーカスしてお話しできればと思います。



3桁の離婚解決の経験がある弁護士でも、苦戦苦闘した旦那さんの難しい性格をご紹介いたします。
そのような人とは分かりあうどころか、話し合うことから本当に難しいこと、そのような人との離婚を検討することが決しておかしいことではないこと、そして弁護士であれば難しい旦那さんとの離婚も解決できることがお伝えできればと思います。
話し合いができない夫の4つの性格パターン
熟年離婚の奥様は、もう旦那さんと、何年もまともに話していない、話せないということをよくおっしゃいます。
そして、弁護士であっても、まともな会話からできないという困った性格の旦那さんが多くいます。
今日は、まず、これまで解決してきた熟年離婚事件の旦那さんのうち、特に困った旦那さんの性格を4つ取り上げてみようと思います。
すぐ怒鳴る「ブチ切れモラハラ系」の夫


まず1つめの性格は、気に食わないことがあると直ぐに怒ってしまうブチ切れモラハラ系とでもいうべき性格です。
このような旦那さんについて、奥様は「夫はこちらが何か喋ると大声で遮り、威圧してきて怖い」と言われており、実際に弁護士が話してみても同じ対応をとられます。
社会人というか大人として信じられない話ですが、ドラマに出てくるヤクザ者のように「ああ!?」、「めんどくせえな」などと非常識な言葉遣いをし、大声で捲し立てるタイプです。
これがまだ本物のヤクザ者なら分かるのですが、このタイプには、有名企業に勤めている50歳を超えたおじさんもいますから、不良漫画をキラキラした目で読み漁る思春期真っ盛りの中学生男子も真っ青という感じです。
このタイプは慣れた弁護士からすれば滑稽に見えても、女性であれば本当に恐怖を感じる人はいるでしょうし、血気盛んな若い男性弁護士であれば、口喧嘩のようになってしまい、お互いに禍根を残してしまうこともあるでしょう。
昭和の時代のドラマなどでは、旦那が「おめえは黙ってろ!」などと奥様に怒鳴り、奥様が「やれやれ」と言う顔で引いていくシーンがありますが、現実でそのような対応をされ続ければ、「やれやれ」では済みません。



このタイプの旦那さんは、周り中の人間が去ってしまっており、指摘してくれる人もいなくなって、社会性を失ってしまっていることが多いと感じます。
自分ルールを押し付ける「インテリモラハラ系」の夫


次にご紹介するのは、自分で決めたルールを正しいものとして疑わず、裁判のルールでの話し合いができない、インテリモラハラ系とでも言うべきタイプです。
たとえば、裁判では財産分与は1/2ずつが原則ですが、「双方がこれまで家庭に入れた金額の比率で財産分与を決めるべきだ」等と主張し続けるような旦那さんがこれに当たます。
例を挙げると、数十年という長い婚姻期間について、膨大な情報をグラフ化し、「妻は専業主婦だったから、労働の対価は時給1000円として計算する」などと言って、とんでもない不平等な比率を主張してきた旦那さんもいました。
このタイプの方は、いわゆる大企業や役所勤めのインテリが多いです。
さらに奥様が他の様々なモラハラ被害をうったえられることも多いです。



自分ルールを家庭外の裁判所でも延々と主張するような人ですから、裁判のルールを理解をしてもらうまで結構な時間がかかります。
理屈が通じない「インテリ宇宙人系」の夫


さらに、時々いるのが、全く理屈がおかしいことを、まるで理論的であるかのように滔々と主張してしまうような旦那さんです。
名づけるならインテリ宇宙人系というのがしっくりきます。
たとえば、「これから未曾有のインフレが必ずきて今持ってる自分の預貯金は紙切れ同然になる、だから財産分与はできないし、養育費も払えない」などという極端に思える仮定と身勝手を重ねた理屈のようなものを主張してきます。
インテリモラハラ系の進化版と言ってもいいかもしれません。
インテリモラハラ系は、奥様への怒りが無理矢理な主張につながっているように見えたり、法律のルールを度外視すれば「そのような考え方もある」といえなくもない自分ルールを示すこともあります。
何とかギリギリそのような思考をする理由に理解が及ぼせるのが特徴です。
一方、インテリ宇宙人系は、仮定の事実や突拍子もない評価について、本当にそれが正しいと信じている節があり、まわりを唖然とさせることが多いのです。



その事実や評価を前提とする限り歩み寄りが簡単でないという点で、そもそも発祥が違う、まるで宇宙人のように感じます。
威張るだけで逃げる「亭主関白チキン系」の夫


最後は、奥様の前では「俺が責任を取るから、お前は黙っていろ」などと亭主関白に振る舞ったりしますが、都合が悪くなると責任を取るどころか逃亡して居なくなる亭主関白チキン系とでも呼称できるタイプです。
逃亡後は、弁護士が電話をしたり手紙をしたりしても応答がないことが多く、このタイプの方は調停になることが多いです。



家長のように振る舞ってはきましたが、ここぞという判断や大変な雑務は全て奥様がやってきたため、いざとなった時の対応能力が乏しく、いつしか裸の王様化してしまったように感じる方が多いです。
困った性格の夫との離婚を成功させる弁護士の戦略


ブチ切れモラハラ、インテリモラハラ、インテリ宇宙人、チキンなどと書くと、こんな人とのどうやって離婚を成立させるのか、そもそも話にならないのではと、ご不安になる方も多いと思います。
私も弁護士になったばかりの頃は「こんな変な人相手じゃ終わらないよ」と愕然とした覚えがあります。
しかし、長くやっていると自然と対応法も出来てくるものです。
具体例を多くあげることは、これからもたたかうであろう旦那さんに塩を送ることになってしまうかもしれませんので程々にご説明しますと、相手の呼吸を乱して、こちらの土俵に引き摺り込むことが大事だと思います。
たとえば、ブチ切れ系との会話ひとつをとっても、大声で「離婚なんかしねえよ!」と言われた時、そこで黙ってしまうことも、いきりたって大声で応戦することも、相手が予想できる対応で相手のペースにはまってしまいます。
そこで、私なら「はい、離婚は拒否されるということで承りました。では、拒否される理由を教えてもらってもいいですか?」などと何事もなかったように事務的に対応いたします。
あるいは「そんな大きな声を出されて何かあったんですか?」などとわざと心配してみることで、相手の恫喝したいとか、喧嘩したいという方針を潰し、相手にやりにくさを感じさせることで、相手に思い通りにならないことを植え付けます。
さらに、相手がそれでも激高し身勝手に行動すれば、調停を申し立て粛々と法律に従って対応する態度を取り続ければいいのです。
相手方に、どのフェイズでも、いつもの思う方向に進まないことを刷り込んでいくことが我儘な相手とたたかうときの基本の姿勢といえるでしょう。



こういった、たたかい方が自然にできるようなったのは離婚事件の解決実績が100件を超えたあたりからだったように記憶しています。
熟年離婚は恥ずかしいことではない|あなたの幸せを最優先に


今回は、熟年離婚の旦那さんの難しい性格をご紹介しました。
この記事を通して、知って頂きたかったことは、
- この4つのパターンのように変わった性格の旦那さんが世には大勢いるということ
- 夫の難しい性格のために離婚を選択することは不自然でないということ
- 離婚事件に精通する弁護士なら簡単ではないにしろ、いくらでも対応ができる
ということです。
熟年離婚をお考えの奥様の中には、離婚をすることを特別な、まるで情けないことをするかのように捉える方がおられます。
しかし、当然成人している可愛くも何ともないおじさんの子育てをするつもりで続けなければならないものに、人生の貴重な時間を浪費する必要はないと私は思います。
あなたが幸福になるためにした結婚が、今あなたを不幸にしているのです。
あなたを不幸にしているものを続けることが、なぜあなたの人生より「大事」といえるのでしょうか。
旦那さんの難しい性格でまいっておられる奥様は、離婚はするべきではないとか、あるいはこんな人ではとても離婚に漕ぎ着けられないと悲観されず、旦那さんの性格難ゆえに離婚を選択し、現実に離婚をして自由と幸せを手にしている方が多くいらっしゃるという事実をぜひ知ってください。
そして、あなたが本当に幸せになれる未来を選び取ってください。



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