こんにちは。武蔵小杉、たまプラーザ、二子玉川からほど近い溝の口テラス法律事務所の代表弁護士、小川です。
今や、モラハラ離婚は増加傾向にあります。
モラハラ配偶者に対して慰謝料を請求したいと考える方も多いでしょう。
しかし、モラハラは、言葉や態度による精神的な暴力ですので、その証拠を集めることは簡単ではありません。
また、モラハラ離婚は、最近になって一般に認知されてきた離婚ですので裁判官や調停委員の理解が得られず、被害を回復する十分な賠償が得られないことも多いでしょう。
そこで、本記事では、モラハラ離婚における慰謝料請求の難しさと、別居や離婚後の生活費を確保するための具体的な対策について詳しく解説します。
モラハラ離婚で慰謝料請求が難しい3つの理由
モラハラ離婚において慰謝料請求が難しい理由は主なものとして3つあります。
- モラハラ配偶者がモラハラを認めないから
- モラハラの証拠が集めにくく、またモラハラの被害は立証しづらい
- モラハラの認識が社会的に曖昧
それぞれ理由を解説していきます。
配偶者がモラハラを認めない
モラハラ配偶者のなかには、見栄っ張りでプライドが高い人がいます。
そのような人は、自分がモラハラという情けないことをしていたという事実を認められず、「そのような事実はない」などと嘘を言うのです。
またモラハラ配偶者には、自分が正しいことをしていると信じ込んでいる人もいます。
当然そのような人は自分の行為をモラハラであると認めないでしょう。
証拠が集めにくく、被害の立証がしづらい
モラハラ配偶者がモラハラを認めないのであれば、証拠をそろえてモラハラがあったと立証しなければいけません。
しかし、モラハラの証拠は目に見えないことが多く、証拠の収集は簡単ではありません。
さらに、モラハラによる被害も目に見えないため、立証が難しい場合が多いです。
身体的な暴力による被害であれば一目瞭然ですが、精神的なダメージを適切に立証することは簡単ではありません。
そこで裁判官にも分かるように、精神科の診断書やカウンセリングの記録によって精神的苦痛を証明しなければならない場合もあります。
しかし、まだまだ精神科やカウンセリングの受診の敷居が低くありませんので、適切な診断書や記録を適時に揃えられることは必ずしも多くないのです。
モラハラの認識が社会的に曖昧
モラハラという概念自体が比較的新しく、社会的にその認識がまだ曖昧な部分があります。
すべての裁判官や調停委員がモラハラに詳しいわけでもなく、また法律的にも明確な基準がないため、まずモラハラを理解してもらうことからハードルがある場合もあるのです。
モラハラ離婚での慰謝料額
上述のとおり、モラハラ離婚の慰謝料請求のハードルは低くはありません。
そして、そのハードルを乗り越えたとしても、判例上モラハラを理由に認められたと考えられる慰謝料額は100万円前後が多いという印象です。
中には数百万円の損害賠償を認めたものもありますが、あくまで特殊な事案と考えるべきでしょう。
モラハラ離婚の解決方法は慰謝料だけではない
上述のとおり、モラハラの立証のハードルは低くなく、また仮にモラハラが認められたとしても、その慰謝料額は、別居・離婚後の生活原資どころか、被害回復に十分な額とすら、とてもいえないでしょう。
しかしモラハラ離婚の解決方法は慰謝料だけではありません。
下記のとおり、慰謝料に拘らず、様々な方法で別居や離婚後の生活費を確保できれば、新しい生活は始められます。
- 婚姻費用の分担を求める
- 財産分与の活用
- 養育費の請求
これらを知っていれば、慰謝料にこだわる必要はありません。
慰謝料と言う名目でなくとも、当事務所のようにモラハラ離婚を多く扱っている事務所であればモラハラ配偶者に多額の支払いをさせることができるのです。
それぞれ詳しくご説明いたします。
婚姻費用の分担を求める
離婚前であっても、別居中の場合には、別居中の生活を維持するための費用である「婚姻費用」の分担を求められることが多いです。
婚姻費用の分担を請求することで、別居期間中の生活費を確保することができます。
同居時に主婦の方でも、離婚が成立するまで、この婚姻費用により生活を維持しながら仕事を見つけ、離婚時には自活できるようになっている方はとても多いのです。
財産分与の活用
離婚時には、夫婦の共有財産を分ける「財産分与」を請求できます。
財産分与を請求すると、自宅の売却代金や貯金、保険、退職金などの財産を、原則として半分ずつ分けることになります。
モラハラ配偶者の「家も貯金も、稼いだ俺のもの」などという暴論は裁判では認められないのです。
養育費の請求
離婚後、ご自身が子供さんを監護する場合、子供さんの生活費である「養育費」の請求ができます。
どのような解決方法で、どれくらいの金額が見込めるかはご相談者様のケースによって様々です。
ご相談いただければ大まかなお見立てをお示しできますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
その他のモラハラ離婚後の生活支援の制度
その他、モラハラ離婚後の生活費確保のため、公的な支援やサービスとして以下の制度があります。
- 児童扶養手当
- 生活保護制度
児童扶養手当
児童扶養手当は、ひとり親家庭の生活を支援するための手当です。
その支給額は、所得に応じて決まりますので、生活費の助けにすることができます。
生活保護制度
上記の制度を用いても生活の見込みが立たなければ、(一時的にでも)生活保護の受給を検討しても良いでしょう。
生活保護制度は、経済的に困窮している方を支援する制度です。
必要に応じて生活費や医療費の補助を受けることができます。
生活保護と言うと気兼ねをする方もおられますが、自活ができるようになるまで権利を行使することに何の問題もないのです。
就職支援サービスの利用
就職支援サービスを利用することで、再就職や転職のサポートを受けることができます。
経済的な自立を目指すために、職業訓練やハローワークのサービスを積極的に利用しましょう。
モラハラ被害者の方はモラハラにより自信を失ってしまい、就労に不安を感じている方も多くおられます。
しかし、多くのモラハラ被害者の方には共通した特質があります。
そして、その特質は、居場所さえ変えれば、誰からも愛され、どの会社にも必要とされ、またぐんぐんと成長していく人の特質なのです。
社会はあなたを必要としているのですから、自信をもって一歩を踏み出してください。
モラハラ離婚で弁護士ができるサポート
スムーズで有利な条件でのモラハラ離婚において、弁護士のサポートを受けることは必須とすら言えます。
以下に弁護士が提供できる具体的なサポートをご紹介します。
証拠集めのアドバイス
弁護士は、モラハラ離婚において有利になる証拠集めのアドバイスができます。
どのような証拠を、どのように効率的に収集するかについて専門的なアドバイスを受けることができるので、無駄な労力を使わずに済みます。
モラハラ配偶者との連絡や交渉の代理
モラハラ配偶者との連絡や交渉は、育児や仕事に悪い影響が出てしまいがちです。
心を乱してしまうような相手との連絡、交渉を全て弁護士に任せられることは大きなメリットですし、特に、モラハラ配偶者と被害者の方の力関係が簡単にはなくならないモラハラ離婚では、対等の立場で交渉をしていくため弁護士の介入が必要不可欠と言えるでしょう。
裁判の代理と戦術立案
もちろん弁護士は裁判の代理をしてくれますので、裁判での難しい法律の議論、文書の作成や手続きを全て弁護士に任せて、離婚までの精神的な負担を大きく減らすことが出来ます。
また離婚事件を多く扱っている弁護士であれば、その実績から抽出した様々な戦術を用いて裁判で有利にたたかっていくことが出来るはずです。
現在では取り扱っている離婚事件の実に半分近くがモラハラを原因とする離婚ですので、モラハラ離婚の重厚な実績と実践の中で得た対応策があります。
モラハラ配偶者に対応策を考える機会を与えてしまわないよう、当事務所の戦術をここでお示しすることはできませんが、慰謝料を取れずとも相当の金額を相手に払わせる戦術も確立しています。
ご相談の際におおまかにご説明をいたしますので、お気軽にお問い合わせください。
まとめ:モラハラ離婚で慰謝料請求を成功させ、生活費を確保するための対策法
モラハラの慰謝料を獲得することはハードルが高く、また獲得できてもその額は被害回復に十分な額とは到底言えません。
しかし、様々な制度を利用し、また裁判でのたたかい方を工夫することで別居後、離婚後の生活資金を得ることが出来るのです。
一見閉塞した状況に見えても、柔軟な考え方と、正しい知識をもって進んでいけば、必ずゴールに辿り着けます。
- これって弁護士に頼んだほうがいいのかな?
- 相談していいレベルなのかどうかわからない
- どうしたらいいかアドバイスがほしい
このようにお悩みの方も、まずは溝の口テラス法律事務所へお気軽にお問い合わせください。
溝の口以外の、たまプラーザ、武蔵小杉、二子玉川にお住まいの方のご相談実績も豊富です。
※本記事は執筆時点の法律・実務運用等に基づいて作成しております。