弁護士 おがわこんにちは。武蔵小杉、たまプラーザ、二子玉川からほど近い溝の口テラス法律事務所の代表弁護士、小川です。
「モラハラがあったのだから、財産分与を多くもらえるはず?」
「離婚後の生活が不安。財産分与で生活費を確保できないか?」
「財産分与には種類があると聞いたけど、どういうこと?」
「慰謝料的財産分与って、普通の慰謝料と何が違うの?」
当事務所にも、財産分与の増額についての切実なご相談が寄せられることがあります。
財産分与は、夫婦が協力して築いた財産を分けるのが基本ですが、実は状況に応じて増額できる可能性があることをご存じでしょうか。
そこで今回は、上記のようなご相談を題材に
- 慰謝料的財産分与とは何か
- 慰謝料請求との違い
- モラハラケースで増額できる可能性
- 扶養的財産分与とは何か
- 扶養的財産分与が認められる条件
- 金額や期間の決まり方
について、詳しく解説していきます。
- 夫の執拗なモラハラに耐え兼ね、離婚をすることにしました。モラハラがあった分、財産分与を多くもらうことはできますか?
- 熟年離婚をしようと考えていますが、年収1500万円のモラハラ夫から就労を禁止されていたため働いたことがなく、また、うつ病になってしまい、将来が不安です。もちろんアルバイトを始めてみようと思いますが、離婚後、自活できるようになるまでの生活費として財産分与を多くもらうことはできませんか?


財産分与の3つの種類|清算的・慰謝料的・扶養的


まず最初に、財産分与の種類について簡単にお伝えいたします。
財産分与には、その目的に応じて大きく分けて3つの種類があります。
清算的財産分与
夫婦が婚姻中に協力して築いた財産を清算・分配するものです。これが財産分与の最も基本的な形で、通常は夫婦の財産を2分の1ずつ分けることになります。
慰謝料的財産分与
不貞やモラハラなど、離婚原因となった行為による精神的損害を、財産分与の中に含めて解決するものです。慰謝料請求とは別に、または慰謝料請求に代えて、財産分与の額に上乗せするかたちで請求することができます。
扶養的財産分与
離婚後、一方の配偶者の生活が困難になることが予想される場合に、その生活を支援する目的で行われるものです。専業主婦の方や高齢で就労が難しい方などが、自立できるまでの期間を補助する役割を果たします。
本記事では、このうち「慰謝料的財産分与」と「扶養的財産分与」について、どのような場合に認められるのか、具体的に解説していきます。
慰謝料的財産分与とは?モラハラで増額できる理由


理由を詳しくお伝えいたします。
慰謝料請求との違いと使い分け
財産分与の最もスタンダードな目的は、夫婦が婚姻中に築いた財産を清算分配することです。
先にお伝えした「清算的財産分与」がこれにあたります。
一方で、慰謝料を財産分与に含めたものを「慰謝料的財産分与」として請求することもできます。



本質問でも、夫のモラハラ行為に着目して、この「慰謝料的財産分与」として財産分与を多くもらうことができる可能性はあるでしょう。
慰謝料請求との違いと使い分け
慰謝料請求は不貞や離婚による精神的な損害を填補するものであるのに対し、慰謝料的財産分与はこれらの損害を財産分与の分与額に反映させて、財産分与のなかで解決していこうということなのですね。
そして、より実践的には、十分な証拠がある場合に慰謝料請求をすることが多い一方で、そうでない場合に慰謝料的財産分与を請求することがあるという違いがあります。
例えば、訴訟で不貞慰謝料請求をする場合、十分な証拠をもって不貞行為を立証しないと慰謝料は認められません。そうすると、ご自身の持っている証拠を見て、どっちに転ぶか分からないという場合、訴訟をして白黒をつけるか迷ってしまうところです。
そのようなときに、慰謝料的財産分与としてお互いが納得できる額を上乗せする合意をしてリスクを避けるとともに早期の解決を図るなどの使われ方がされることがあるのですね。
モラハラケースでの慰謝料的財産分与
ご質問者様の場合、長年のモラハラがあったとのことですから、慰謝料的財産分与として財産を多く貰える可能性はあるでしょう。
そこで、「慰謝料請求」、「慰謝料的財産分与」という言葉に拘らず、きちんとした支払いを得ることが大切になってくることも多いのです。



どうすればモラハラ夫から納得できる額の支払いを得られるのか、離婚に詳しい弁護士に相談し、柔軟な戦略でたたかっていきましょう。
自立を助ける扶養的財産分与とは?離婚後の生活を支える制度


扶養的財産分与の目的
扶養的財産分与とは、他方配偶者の離婚後の生活が難しいと予想される場合に、離婚後の扶養を目的として行われる財産分与です。



たとえば、専業主婦の方が離婚後に生活を安定させるまでの補助的な役割を果たします。
扶養的財産分与が認められる条件
ただし、扶養的財産分与が認められるには、請求者に「扶養の必要性」があり、被請求者に「扶養の能力」があることが条件となります。
金額と期間の決まり方
また、期間については、1年から5年の間とするものが多いです。
期間は、要するに、請求者が自活できるまでの期間が一つの目安となるので、請求者の年齢、専業主婦であった期間、その能力、資格の有無などから就業の可能性を検討して算出することが多いでしょう。
そうすると、若年の方は短く、高齢の方はある程度長くなる傾向があります。
熟年離婚での扶養的財産分与
ご質問者様の場合、働いたことがないうえ、うつ病になってしまっていることから「扶養の必要性」があるといえそうです。
まとめ|状況に応じた財産分与の請求を


今回は、慰謝料的財産分与・扶養的財産分与に関するご質問についてご回答しました。



財産分与を多く請求できれば、離婚後の生活の不安を少しでも少なくできそうですね。
色々なご心配があり財産分与を多くもらいたいけど、どうしたらいいかよくわからないという方がいらっしゃいましたら、離婚事件に注力し、3桁に及ぶ解決実績がある弁護士小川にご相談下さい。
- これって弁護士に頼んだほうがいいのかな?
- 相談していいレベルなのかどうかわからない
- どうしたらいいかアドバイスがほしい
このようにお悩みの方も、まずは溝の口テラス法律事務所へお気軽にお問い合わせください。
溝の口以外の、たまプラーザ、武蔵小杉、二子玉川にお住まいの方のご相談実績も豊富です。
※本記事は、執筆時点の法令、判例、実務の取り扱いに基づいて執筆していますので、これらの改正や変更があった場合、上記と異なる取扱いがされる可能性があります。



